2040年は、地域包括ケアシステムの大きな転換点になると考えられています。介護や医療といった複合的なニーズを抱えるとされる「75歳以上・85歳以上の人口」が急速に増加するとともに、「65歳以上の人口」もピークに達します。「65歳以上の人口」はその後減少に転じると予測されていますが、高齢者数の変化に伴い、大都市部や過疎地域、一般市などでサービス需要に大きな地域差が生まれると懸念されています。こうした人口動態の変遷や移り行く介護ニーズを整理しながら、2040年に向けた地域包括ケアシステムの深化について解説いただきました。
さらに、社会的な課題の一つとして大きなトピックとなっている「身寄りのない高齢者」について、朝来市、出雲市、岡崎市の取り組みを例に、地域ケア会議の活用や住民団体のネットワーク構築など当事者を支えるための支援体制づくりも紹介されています。今後の地域包括支援センターの制度改正の方向性に関しても触れられており、地域資源開発、業務負担軽減、災害時のBCP整備等を含め、地域の中でセンターが果たすべき役割を再認識するためのきっかけとして、本セミナーを活用いただければ幸いです。
「市町村・都道府県における高齢者虐待への対応と養護者支援について」(以下「国マニュアル」という。)が、令和7年3月に改訂されました。面会制限に関する手続き上の留意事項が変更された点や、「介護施設・事業所等で働く方々への身体拘束廃止・防止の手引き」が別冊として再構築されたことについては、周知のことと存じます。
養護者等による高齢者虐待の通報件数が年々増加傾向にある中、今回のセミナーでは、高齢者虐待防止と権利擁護に対する考え方および支援の基本的な姿勢を今一度踏まえたうえで、改めて、「国マニュアル」における改訂内容を中心にお話しいただきました。加えて、虐待防止の体制整備に関する国の支援や取組、虐待のない地域社会を築いていくための行政のあり方についても解説されています。虐待対応の一助として、ぜひ、ご視聴ください。
地震、台風、豪雨、洪水、土石流。近年、日本では、毎年のようにこうした自然災害が発生し、甚大な被害をもたらしています。皆さんの中にも、災害に見舞われた方の支援に従事した経験があるという人も少なくないのではないでしょうか。
今回のセミナーは、令和6年に石川県を襲った能登半島地震において、金沢市の地域包括支援センターとして、また専門職として被災者の支援活動にあたった立場で、お話しいただきました。地震直後から現在に至るまでの体験を通して、通常業務と並行して被災者相談に尽力したセンターの実情や果たすべき役割について解説されています。
この時期に見られた特徴的な3つの事例に加え、災害時における意思決定支援の重要性と難しさ、地震の経験から得た学びをふまえて今から取り組めること等、災害対応の経験のある人にとっても、そうでない人にとっても、我が事として捉えられる内容です。ぜひ、参考にしてください。