porta 2016 #023
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 お助け隊には現役時代に培った技術や経験を生かし、さまざまなスキルを持った人がいる。たとえば高い木の剪定などは植木職人ではなくても、東京タワーを造った経験のある鳶職や大工など、高い場所が得意な人に仕事の依頼が来る。配水管の修理にも左官や水道業などエキスパートがいる。仕事でパソコンを使っていた人はパソコン教室の先生になれる。「まったく同じ職種でなくても良いんです。生コンクリートを練っていた人が、今では生キャラメルを練っている。ちょっとした発想の転換で仕事ができるのですね。利用者とお助け隊のマッチングをする、コーディネートするのが事務局の仕事でもあります」と青木さんはいう。 仕事は時給ではなく料金制。いわゆる有償ボランティアだ。そのためひとつひとつの仕事に責任が生まれる。きっちりした仕事だからこそ感謝があり、また喜びが生まれる。今後は青木さんのようなコーディネーターを育成していくことも必要だ。 もうひとつ、お助け隊ではじめたのが日本ミツバチの養蜂だ。誰もがやっていないことをメンバーで取り組んでみよう、と思い立ったのがきっかけで、活動は8年になり、蜂蜜の生産や人工的な分蜂(巣別れ)作業も行っている。養蜂によって商店街の枠を超え、仲間たちも広がっている。仕事は手軽な手伝いから貴重な養蜂まで西洋ミツバチよりもずっと小さな日本ミツバチ。養蜂メンバーが大事に育て、蜂にとって快適な環境をつくっているミツバチが元気かどうか、日々様子を観察し、分蜂(巣別れ)などにも対応している日本ミツバチの養蜂ではめずらしい蜜蝋でつくられた人工の巣を使っている街のお助け隊コンセルジュのクーポン券。依頼内容に応じて利用者が支払う事務局のスペースではパソコン教室も開催。個々のペースに合わせて丁寧に教えてもらえる排水溝の掃除、庭木の手入れなど、ちょっとしたお困り事にも素早く対応することで信頼が生まれ、リピーターが増えている日本ミツバチから採れる蜂蜜は事務局で販売中。6ヶ月でわずか20㎏と、西洋ミツバチの1/10

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