polta 2017 #025
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 江戸時代後期の宝暦10年(1760年)、墨田区本所割下水付近で生まれた北斎。約90歳で生涯を閉じるまでに90回以上引っ越ししたと伝えられるが、そのほとんどが墨田エリアだったという。ここでは、タッチパネル式情報装置やアトリエの再現コーナーなどで、北斎の作品と画業が見るだけではなく、体感できるのが大きな特長だ。 常設展示室の入り口には大きな画面。地図をタッチすると、北斎が描いた当時の風景と今の風景が壁面に映し出される。「昔は川だったのに、今は面影がないね」と次々と画面をタッチしながら感激の様子。抑えた照明で作品が浮かび上がるような展示室でも『北斎漫画』の絵手本の模様を着物に描くことができるタッチパネルなど、北斎の世界が多角的に楽しめる。「こんなに細かいところまで表現していたのね」と、特に驚いていたのは4Kの高精細画面モニターで錦絵の細部まで鑑賞できる「北斎の錦絵」。ご夫妻ともに時間を忘れて作品に魅せられていた。【個人情報の取り扱いについては、P15をご覧ください。】大人の鼓動体験モデル募集“大人の鼓動”のページでは毎回、話題のスポットを読者モデルの方と一緒に紹介していきます。取材に参加ご希望の方は氏名、年齢、おふたりの関係をご記入のうえ、写真を添えて「PORTA編集部」までご応募ください。ご夫婦、あるいは友人など、2名1組でご応募ください。〒100-0013東京都千代田区霞が関3-6-5 霞が関三丁目ビル「PORTA編集部」株式会社ソーシャルサービス  03-6268-8577問DATA  東京都墨田区亀沢2-7-2  03-5777-8600(ハローダイヤル)  9:30~17:30(入館は閉館の30分前まで) 月曜(祝日、振替休日の場合は翌平日)、年末年始    常設展一般400円、高校・大学・専門学校生、65歳以上300円 ※企画展は内容により観覧料別途   都営地下鉄大江戸線「両国駅」A3出口より徒歩5分、JR総武線「両国駅」東口より徒歩9分住問営休料金交通絵手本の模様が入ったスタンプを画面上で移動すると着物や帯の模様が変化するタッチパネル指の操作で拡大し、細部まで観賞できる「北斎の錦絵」の画面。錦絵の美しさに感激1階はミュージアムショップ。北斎の作品が描かれたパッケージのお菓子や文具、雑貨なども揃う3階の企画展示室前のホワイエでひと休み。窓から東京スカイツリー®を望む獲れたて新鮮な野菜をふんだんに使った「バーニャフレイダスタイル(1.058円)」と「フルティカトマトのポモドーロ(1,350円)」すみだ北斎美術館カット割りのすごさ、クローズアップの大胆さ。映画のコピーライターをしていた経験から、北斎の絵を見て、映画発明者・リュミエール兄弟を思い出しました常設展示室入り口の「すみだと北斎」。北斎の出生地や居住地など、ゆかりの地の当時と今が比較できる見て、触れて、感じて。北斎作品を体感旧小学校の教室を利用した東京おもちゃ美術館のおもちゃの病院。ドクターはそれぞれ自分の工具を持ち込んでおもちゃを修理しているドクター歴19年のベテランだ。 「原則、その日のうちに修理しますが、部品がない場合などは『入院』として次の開催日までお預かりすることもあります。ここの場合、2016年実績で完治率は95%にもなるんですよ」 そんな高い技術を持ちながら、修理は無料。部品などの購入品を使用した場合は、その実費を受け取るだけという完全なボランティアだ。 日本おもちゃ病院協会は、おもちゃの病院の技術向上や、おもちゃドクターの養成を目指して組織化。東京おもちゃ美術館には事務局もあり、おもちゃドクター養成講座の会場にもなっている。 「『おもちゃドクター養成講座』で基本的なことは学べますが、それだけではなく、みなさんのこれまでの経験が活かされることが多いんです。部品がなければ自分で作るし、工具までも自作することがあるんですよ」と三浦さん。修理技術の向上を目指し全国をネットワーク元は自動車関連のエンジニアだったという三浦康夫さん。まだ現役だった頃から、おもちゃドクターとして活躍してきた右/声の出なくなった犬のおもちゃを修理中の三浦さん 上/おもちゃの修理に適するようメーカーに特注した日本おもちゃ病院協会オリジナルの工具 例えば、一般的なドライバーは軸の直径が6㎜が標準だが、それより細いドライバーやギアの軸を取り外すギアプーラーも日本おもちゃ病院協会がおもちゃの修理に適する仕様でメーカーに製作依頼し、会員向けに販売もしているという。 「修理が終わったおもちゃを受け取る子どもたちの笑顔がうれしいことはもちろん、自分たちも創意工夫しながら直すという達成感で楽しませてもらっています」モノの溢れる時代でもおもちゃへの愛着は格別。 四谷の旧小学校校舎を利用した「東京おもちゃ美術館」。ここでは第1・3土曜日、「おもちゃ病院」が開催されている。親子連れはもちろん、大人までが次々に訪れる。症状は「動かない」「動きが悪い」「音が出ない」など様々だ。 「最近のおもちゃは、ほとんどが電子回路を使ったもの。修理はどんどん難しくなっています」とおもちゃ病院のドクターで日本おもちゃ病院協会の会長でもある三浦康夫さん。現在70歳で、おもちゃみうらやすお

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