porta 2017 #027
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駅弁がつなぐ地域の絆「きつねの鶏めし」 掛け紙に描かれたキツネの面。こちらを睨みつけるようなつり上がった目の奥が金色に光っている。子どもが見たら、怖くて泣くかもしれないほどの迫力だ。そしてなんとも印象的なネーミング。一度手に取ったら忘れられない駅弁である。しかし、ふたを外せば誰でもニッコリと笑顔・笑顔。かやくご飯の上に、鶏の旨煮やつくね、ワラビの醤油漬け、ヒメタケ、ニンジン、そして京都特産の九条ネギやすぐき漬けもたっぷり載って、よい匂いが漂ってくる。ひときわ存在感を示すのは《おキツネさま》こと油揚げ。駅弁で油揚げといえば稲荷寿司がほとんどだが、これはドカーンとご飯の上に置かれている。もう一つは袋に入った黒七味。創業1703年の祇園の老舗「原了郭」の黒七味は一子相伝の製法を守り続けるオリジナル七味。香り豊かで、これを鶏肉や油揚げにはらりと振りかけて食べると一気に料亭の味になる。駅弁は嵯峨野トロッコ列車とのコラボ弁当で、中にはトロッコ列車の簡単な案内が同封されている。駅弁を手に、京都で小さな鉄道の旅を楽しもう。京都の地場食材がたっぷり行楽にぴったりの名物駅弁京都府嵯峨野トロッコ嵯峨駅の名物弁当として2016年7月より販売を開始したトロッコ列車の運行マップや料金などを紹介するガイド入りだtext by駅弁女王日々の旅のなかで、今まで5000食以上の駅弁を食破。雑誌等に駅弁の連載、著書も多数。調製元と駅弁の開発も行う。旅行ジャーナリスト、フードアナリスト。Shinobu Kobayashi嵯峨野第27号平成29年7月15日発行 発行元:一般財団法人長寿社会開発センター 〒105-8446 東京都港区西新橋3-3-1西新橋TSビル6F TEL03-5470-6753 FAX03-5470-6763キツネ面がこちらを睨む。一度見たら忘れられない価格:850円販売:嵯峨野観光鉄道 トロッコ嵯峨駅、新神戸駅、西明石駅、京都駅、近鉄難波駅、東京駅問合せ:☎078-431-1682(淡路屋)

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