porta 2018 #032
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text by駅弁女王日々の旅のなかで、今まで5000食以上の駅弁を食破。雑誌等に駅弁の連載、著書も多数。調製元と駅弁の開発も行う。旅行ジャーナリスト、フードアナリスト。Shinobu Kobayashi駅弁がつなぐ地域の絆第32号平成30年12月15日発行 発行元:一般財団法人長寿社会開発センター 〒105-8446 東京都港区西新橋3-3-1 KDX西新橋ビル6F TEL03-5470-6753 FAX03-5470-6763しんしんと降り積む雪を眺めて津軽の郷土料理を味わう旅を青森県五所川原市「ストーブ弁当」 津軽五所川原駅から津軽中里駅までの12駅、20.7キロを結ぶ、小さな津軽鉄道。津軽平野の地吹雪のなか、客車を引っ張り踏ん張って進む機関車の姿は鉄道ファンの心を捉えて離さない。 冬は1日に何本か、車内にダルマストーブを置いたストーブ列車が走る。これをイメージしたのが「ストーブ弁当」だ。竹で編んだ容器を覆う掛紙は、ダルマストーブの絵が描かれたシンプルなデザイン。しかし、ふたを開けると、華やかでバリエーションに富んだ盛り付けに思わず声が出る。大きめのおにぎりは、ひとつは梅と紫蘇、もうひとつは津軽名物・若生(わかおい)のおにぎり。若生とは薄くて柔らかい1年ものの昆布で、口に入れると強い磯の香り。昆布についた塩加減もちょうどよい。おかずはホタテに卵の黄身をぬって焼いたホタテの黄身焼きや、イカの中にキャベツやゲソを入れ酢と塩で漬けたイカ寿司、スルメの塩辛、紅鮭のハラス、エビのあられ揚げなどなど。津軽の郷土料理が満載だ。地酒の「ストーブ酒」と一緒にどうぞ。おかずはすべて丁寧に手作りされている。最低2個から3日前に要予約価格:1100円販売:津軽五所川原駅問合せ:☎0173-34-2148    (津軽鉄道株式会社)雪をかき分けて力強く走るストーブ列車津軽鉄道のアテンダントによる津軽弁での観光案内も車内にはダルマストーブが置かれ石炭が赤々と燃える五所川原市ごしょがわら

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