重心を低く保つ動作は、派手さはないが難しく、体幹が必要だ各地から集まる代表選手や観客に見守られ、緊張感漂う本番での演武。足を高く上げる難易度の高い動作、 脚(ドンジャオ)も決まった! 令和元年11月9日〜12日、和歌山県各地を舞台に「ねんりんピック紀の国わかやま2019」が開催された。スポーツ交流大会、ふれあいスポーツ交流大会や、囲碁や健康マージャンなどの文化交流大会など全27種目に、選手・役員等が約1万人集結する一大イベントだ。 今回、最初に訪ねたのは海南市総合体育館で開催された太極拳交流大会。24の動作を組み合わせた太極拳で、6〜7人の集団演武でチームの技術、協調性、構成などを10点満点で採点する。 岐阜県の代表で参加した「彩華」のみなさんは、10時頃からの演武に備えて早朝から最終練習中。監督兼選手の柳瀬とよ子さんは、太極拳歴18年。ねんりんピック出場も4回目のベテランだ。「友達に誘われて始めたのですが、すっかり夢中になって。おかげで集中力がついたと思います」という柳瀬さん。大切な仲間ができたのも太極拳のおかげだという。 太極拳では、本番前に3つの練習場をめぐって最終調整ができる流れになっている。地元のみなさんが選手受付係、選手誘導係、練習会場係などを分担し、離れた練習会場をスムーズに誘導。「この斜めの線をきちんと揃えましょう」「最初の配置をもう一度確認して」と、互いに声を掛け合い、緊張感が高まっていく。期間中は和歌山県に全国から約1万人が集結太極拳交流大会の開始式の様子。海南市長も大会会長として挨拶競技前練習から本番まで緊張の連続 そしていよいよ本番。静かな調べにのせて、ゆったりとした太極拳の動作を次々に披露。全員が集中し、持ち時間の4分が終了した。「ちょっと失敗しちゃった…」「大丈夫、大丈夫」と互いに健闘をたたえ合う姿が感動的。「実力を出し切れなかったけれど、また次を目指して頑張ります」というみなさん。競技の感動は若者だけの特権ではないのだ。演武も終盤だが、最後まで気を抜けないのが太極拳。指先にまで神経を集中させる演武を終えて健闘をたたえ合う。感動を分かち合える仲間ができるのも太極拳ならではねんりんピック和歌山2019レポート
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