porta 2020 #036
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「ゆで太郎の平均年齢は37歳。実は高齢者ばかりではないのですが、定年の65歳になっても、本人が続けたいという限り、こちらから肩を叩くことはありません。また、店舗でもシニアを積極的に雇用していますよ」と社長。その理由の一つが、シニアの人間力だという。「マニュアル化とは、誰がやっても同じようにできるようにすること。ですが若い人にはまず、それ以前の常識から教えていかなくてはならない。でもシニアに遊び感覚で仕事をする人はいません。バイトテロといったことの心配がな兼任していた。「若い人にはスピードも持久力もかなわないけれど、年をとっても経験やコツでカバーできることがある。それをシニアに教えるのはシニアがいい、という考え方なんでしょうね」と笑う。 五反田で「もつ次郎」を開店し、その店長とトレーナーを兼務することになった立岡さんだが、そばともつ、全く違う料理に不安はなかったのだろうか。「今日と明日が同じなのはイヤと思う自分にとって、新しいことを始めるのは楽しくてしょうがない。この会社は年齢に縛りを設けず『やりたい』という気持ちに応える環境を用意してくれるんです」いんです」 ここでは定年で嘱託扱いになり、給与がガクンと下がることも、年齢や店の都合で働く時間を制限することもない。「同業他社を定年退職後、ここに入ってくる人も多いんですよ」もつ次郎では、もつ煮込みはもちろん「赤鬼 すりだね」という辛味調味料も店内で手作り。お酒のメニューも豊富に揃うゆで太郎本店では「釜じい」として、新人にそばのゆで方を指導。「本店では80歳の方も元気に活躍しているんですよ」お客様の来店1回につき1円を赤十字に寄付する「ゆで太郎夢基金」は2015年にスタート。令和元年度は約2000万円を寄付「接客業は人当たりの良さも大切。その点でも人生経験を積んだシニアには期待しています」と池田社長もつ次郎では「もつじい」と呼ばれている立岡さん。「新しいことを始めるのは楽しいですよ」シニアの人間力、人生経験を高く評価

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