porta 2020 #036
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 かんじゅく座では現在、週1回組と週2回組の2班体制で稽古を実施。稽古場ではマリリン、ヒコさんなどお互いが呼ばれたい名前で呼び合う。「ここでは家庭も仕事もこれまでの人生も関係ない。だからその人がその人らしくいられる名前で呼び合うんです」 この日は次の公演に向けての本読みの稽古にお邪魔した。「母音をハッキリさせると言葉がハッキリするよ」「役のキャラクターをしっかり把握しないと」と、場面ごとに区切りながら、諭すように、時には厳しくエマさんのアドバイスが飛ぶ。「かんじゅく座は芝居経験のない人も、やりたいという気持ちがあれば大歓迎。とはいえ『セリフが覚えられません』『そんな汚い言葉遣いはできません』と、最初は同じ土俵に立つこともできない状態に驚かされました」というエマさん。セリフの少ない役に変更する、役に抵抗のある人には、その役の職業を一緒に見学に行き、役の履歴書を作ってその役の人生への理解を深めるなど、イメージを共有しながら解決してきたという。「自分の人生を確立したシニア世代は、視野が狭くなりがち。でも、一度舞台に立つとガラッと変わります。観客からの笑い声、拍手。それが感じられると『もっとやりたい』『続けたい』という気持ちになるんですね。お金に縛られるビジネスとは違うアマチュアならではの自由さを活かしながら、様々な価値観を持つ団員をまとめる難しさ、そして一つの舞台を作り上げる楽しさを実感しています」アマチュアならではの自由さと難しさが混在自分の干支をジェスチャーし、順番に並ぶゲーム。みんな干支になりきって全身で表現発声練習。「目線を遠くに」「風車を回すように息を前に」とエマさんからの声が飛ぶ滑舌を良くするための「あいうえおの歌」。ユニークな文章は座員のオリジナル稽古の予定やキャラクターの設定など、台本には書き込みがギッシリ再演予定の「ねこら!」の配役を発表。本人の意思を確認し、本読みのスタート稽古はまずウォーミングアップから。つま先回しから全身運動までを約20分

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