porta 2020 #036
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 マリリンこと胡桃沢マリさんは、かんじゅく座の第1期生。「新聞でシニア劇団員募集の記事を見て、すぐに応募しました。子どもと一緒に劇遊びをするのが好きだったので、ママさんバレーや合唱のようにママさん劇ダメ出しではなくアドバイスなんです登場するキャラクターの階級を図解ではっきりさせ、役への理解を深めるエマさんまだ本読みの段階だというのに声を変え、時には身振りを交え迫真の演技毎週コツコツ発声練習を積み重ねてきた声は、大きく響きとても聞きやすい2017年版「ねこら!」に出演中の胡桃沢さんと渡部さんキッカケ」と笑う。実は渡部さん、2019年にガンのステージ4を宣告されたという。「2020年の1月には芝居の稽古を始めたいと医師に伝えて治療に臨み、仲間にも病状を公表していました。目標を持つこと、そしてエマさんやみんなに励まされることに力をいただき、2020年4月の検査ではガンが消えていたんですよ」舞台への意欲がガンを克服する免疫力となったに違いない。「例えば認知症でも本人が楽しくやれるのなら、それをサポートするような芝居を工夫していきたい」とエマさん。舞台に立つという目標と感動が、年齢の壁を軽やかに飛び越えているようだ。「子どもたちも応援してくれていますよ」という渡部さん孫にカッコイイ姿を見せるのが今の目標です「やっぱり一度はプリンセス役をやってみたいわ」と胡桃沢さん女子高生役の時孫にイマドキの仕草を教わったの団があったらいいのにと思っていたくらいだったんです」 稽古ではエマさんの大きな声で厳しいチェックが入ることも。「お芝居で『ダメ出し』という言葉があるけど、それはダメなんじゃなくて、良くするためのアドバイス。その時はショックだけど、エマさんの脚本も舞台も好きだから続けられるんです」と71歳とは思えない愛らしい表情で教えてくれた。 かんじゅく座旗揚げ公演までの記録映画「つぶより花舞台」を観て入団を決めたというヒコさんこと渡部俊比古さんは77歳。「映画の舞台挨拶で『団員募集中です』と言っていたマリリンさんと目があっちゃったのが入団のワタナベ「かんじゅく座」  東京都新宿区荒木町13 HANT四谷B1階 猫の寄り道スタジオ☎090-8083-6888 http://kanjukuza.com/住HP

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