いていこうと家内と話し合いました」 息子にお金を残すために今まで以上にがむしゃらに働く毎日。そんなある日奥様に「私たちが死んだ後、この子はどうやって生きていけばいいの?」と言われて愕然としたのだとか。銀行マンは朝早く夜遅い仕事。付き合いで飲み会が多くなり帰宅が深夜になることも。「当時、滑舌の悪い息子の言葉を自分はうまく聞き取れていなかったんです。家内は100%ちゃんと聞き取れているのに」 そこで息子との時間を大切にするために35歳を前に退職を決意。アナリストとして新たな道を歩み始めることに。転職してからは早く帰宅し、3人揃って夕食を囲むことができるようになった。「食後は3人でゲームをするなど楽しい時間を過ごすことができましたね」 2001年4月、幸いにも息子さんは高校までの一貫教育の養護学校小学部に入学することができた。しかし、ここでまたしても厳しい現実と向き合うことに。 「高校を卒業しても就職は難しいこと、福祉事務所に入れたとしても月給が3000円程度であることを知らされました」 そこで高給が望める外資系格付け会社に転職。「親父としては息子のためにお金を貯める、息子との時間も増やすということが同時に果たせたのはうれしかったです」 そんな折、通勤途中で読んでいた新聞のヤマト運輸の小倉昌男元会長の記事に目がとまった。経営が傾いたヤマトを立て直して得た富のほとんどをヤマト福祉財団を平成31年には「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞の実行委員会特別賞に選ばれたドライフルーツはイチゴ、リンゴ、キウイ、トマト、パイン、メロン、マンゴーなど袋詰めも丁寧に。各自に合った仕事に取り組むことで自信につながるパンダの表情もひとつひとつ違うところが手作りならではの魅力ドライフルーツとチョコレートのコラボで優しい味わい。ワインとの相性も◎障がい者が働く会社を起業することを決意
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