porta 2021 #040
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text by駅弁女王日々の旅のなかで、今まで5000食以上の駅弁を食破。雑誌等に駅弁の連載、著書も多数。調製元と駅弁の開発も行う。旅行ジャーナリスト、フードアナリスト。Shinobu Kobayashi令和3年12月15日発行 発行元:一般財団法人長寿社会開発センター 〒105-8446 東京都港区西新橋3-3-1 KDX西新橋ビル6F TEL03-5470-6753 FAX03-5470-6763山梨県小淵沢「元気甲斐」 1985年にTV番組の企画で誕生。小淵沢を代表する駅弁として全国に知られている。2段のお重の中身は東西の味の対決となっており、一の重(上段)は京都の老舗料亭・菊乃井、ニの重(下段)は東京の味処・吉左右が弁当としての体裁を調え、注目された。 そうそうたる料亭が考案する駅弁の内容は、一の重に胡桃御飯、蓮根の金平、山女の甲州煮など山や里の味覚がたっぷり。カリフラワーのレモン酢漬がさっぱりしてあとを引く。二の重には栗としめじのおこわ(銀杏・蓮根入り)、鶏の柚子味噌あえ、わかさぎの南蛮漬け、アスパラの豚肉巻、沢庵など。どれも手の込んだおかずが詰められている。 東西の甲乙はとてもつけられないが、一の重の胡桃御飯は朴葉に包まれているため、新鮮で爽やかな葉の匂いが食欲を誘う。もっちりとした御飯の中から胡桃が顔を出す食感の変化が絶妙だ。 掛け紙のイラストは故・安西水丸、ディレクションには料理評論家・山本益博とパッケージ等の担当にも豪華な顔ぶれ。後世に残る名駅弁であること間違いない。価 格 :1780円(税込)販 売 :小淵沢駅問合せ:☎0551-36-2521 (株式会社丸政)小林しのぶが日々是旅の生活で発掘した、日本全国の《うまいもん》と取り寄せ情報を紹介。読んで旅気分を感じることができます。食べて生産者も応援できる1冊です。第40号八ヶ岳を背景に汽車が走るイラストが目を引く。昭和から続く人気弁当駅弁がつなぐ地域の絆見た目も美しく駅弁の域を超えたお重弁当小淵沢東西の料亭が味の競演豪華2段重は手土産にも最適一の重 胡桃御飯、蓮根の金平、山女の甲州煮、蕗と椎茸と人参の旨煮、蒟蒻の味噌煮、 カリフラワーのレモン酢漬、ぜんまいと揚げのごまあえ、セロリの粕漬 二の重 栗としめじのおこわ(銀杏・蓮根入り)、鶏の柚子味噌あえ、わかさぎの南蛮漬け、山牛蒡の味噌漬け、アスパラの豚肉巻、沢庵撮影/筒井聖子くるみほおば

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