が、当事者はここで話をすると元気が出る。うつ症状も出にくくなるんです」と、成清さんは説明する。 月2回は、ウオーキングの会の協力でコースを設定し、周辺の散策も開催している。 「今回のガイドは、地域に詳しい協力高齢者の方にお願いしました。柴田勝家の孫の勝重ゆかりの地を訪ねたり、公園で滑り台を試したり、約2㎞のコースを1時間30分ほどかけて歩きました」 4月には、丹野智文氏を招いての勉強会を開催。認知症当事者の想いや工夫、家族や介護者に望むことなどを精神保健福祉士の方との対談方式で紹介し、参加者からの質問も飛び交う盛会となった。 「認知症の症状はさまざま。毎週やっているこの会のことを忘れたり、携帯を持っていても電話番号が登録されていることを忘れたり。失敗してはいけないと思うから、人前では極度に緊張して話せなくなる人も。でも、工夫次第でよりよく暮らすことができる。そんな正しい知識を発信しなくちゃいけないと思っています」知ることで恐怖をなくし話すことで元気になる 発足当初は月1回の集まりだったが「みんな行くところがなくて困っている」という声に応えて、2021年6月からは毎週の開催に。ミーティングでは認知症に関するイベントやパンフレットの紹介、若年性アルツハイマー当事者で、仙台で「おれんじドア」を開催している丹野智文氏の著書紹介などのほか、それぞれの近況報告や悩み相談なども。 参加者からは「認知症当事者は忘れちゃうからいいけど、大変なのは家族だよね」「いやいや、当事者だって大変だし、悩んでいるんですよ」「経済的なことも心配」と忌憚のない意見が飛び交う。ここには当事者も介護経験者もいるので、それぞれが認知症の症状や介護、介護保険についてアドバイスし合うことができるのだ。 「症状や介護サービスなどを知れば認知症も怖くなくなる。家族はどうしても『あれはダメ』『これもダメ』『外に出ないで』となりがちです柴田勝家の兜を水神の森に鎮めて社殿を建立したと伝えられる勝淵神社をウオーキング丸池公園で開催された「青空対談」参加者で記念撮影。当日はNHKの取材も受けたこの日のウオーキングは、参加者のペースにあわせてゆっくりと約2㎞柴田勝重の墓がある春清寺。活動場所の三鷹市新川三丁目地区公会堂から徒歩15分ほど4月に開催された丹野智文氏(右)と精神保健福祉士の青山聡子さんを招いての「青空対談」たんのともふみきたん
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