対策も、生き物相手なので、やったらすぐ結果が出るわけではないんです。自動システムも導入していますが、同じ温度でも晴れの日と曇りや雨の日では違う。微調整には人間のカンも必要だから、今も傾向と対策を研究する毎日です」 実は今年、受粉のためにいちご農家の多くが使っているマルハナバチを導入したが、花粉が少ないと花をかじることがわかり、ミツバチに戻したという苦い経験も。 収穫シーズンはほぼ休みなし。しかも、次のシーズンに向けて苗を育てるハウスは5月でも30℃を軽く超える暑さ。さらには今年から夏野菜の露地栽培に加えて、アスパラのハウス栽培も開始した。趣味のバイクツーリングを楽しむ時間もない忙しさだが、 「自分の好きなことをしているからストレスはないんです。何より、食べた方から『おいしい』と言われるのが嬉しい」と話す。収穫体験などのイベントも開催し、その時は娘さんも手伝いに来てくれるという。 「いつかはいちご狩りのできる観光農園もやってみたいですね」と微笑む長谷部さんの生涯現役への挑戦はまだ始まったばかりだ。いちごがセットされるのを待ちかねたように買いに来るお客さんも販売機隣のデジタルサイネージには、いちご品種の解説などが表示され、見るだけでも楽しい農園前の自動販売機にいちごを入れる。自動販売機は今年から導入真っ赤な「紅ほっぺ」と白い「エンジェルエイト」のミックスパックも人気いちごを保護するシートも手作業で貼り付け。農園のシールはパソコンで自作いちごが売れた棚には長谷部さんのメッセージが長谷部農園(はせべのうえん)神奈川県藤沢市打戻1326-1住 https://www.facebook.com/hasebe.farm/HP
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