porta 2022 #043
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「松山名物 醤油めし」令和4年12月15日発行 発行元:一般財団法人長寿社会開発センター 〒105」 - -3-1 ----8446 東京都港区西新橋3KDX西新橋ビル6F TEL0354706753 FAX0354706763 素朴な醤油めしの上にはたくさんの山の幸が。四国を代表する駅弁駅弁は手作業でていねいに詰めていく目を引く文字だらけの掛け紙。松山の方言に笑ったり、感心したり昭和30年代から松山駅で販売されている ロングセラー駅弁。しかし平成30年に調製元の鈴木弁当店が廃業し、現在は岡山の調製元・三好野本店がレシピを受け継ぎ、調製販売している。フタを開けると、醤油の香ばしさが鼻を かすめる。名前の印象から塩辛い味を想像するが、実際はマイルドな醤油風味のご飯。古くから伊予地方では、米とゴボウ、ニンジン、松山揚げ(郷土の油揚げ)といった具材を濃口醤油で炊き込んだご飯を「醤油めしと呼び、ハレの席に欠かさずに出していたという。ご飯は冷めてもふっくらとしており、 一粒ひと粒に具材から染み出た出汁と醤油の風味が染み込んでいる。おかずいらずでこれだけでも十分に食べられるが、ご飯の上には鶏肉、シイタケ、タケノコ、山菜などを配し、デザートにサクランボを添えるという贅沢仕様。春の里山のような彩りに顔も心もほころんでくる。掛け紙には、松山の方言が相撲の番付表 のように書かれている。横綱は「よもだ」(おとぼけ)、前頭は「まがる」(さわる)。駅弁を食べながら松山の方言をひとつ、ふたつ覚えて旅をしよう。価 格 :880円販 売 :三好野本店問合せ:☎086-200-1717松山市愛媛県松山市text by駅弁女王Shinobu Kobayashi日々の旅の中で、今まで5000食以上の駅弁を食破。雑誌等に駅弁の連載、著書も多数。調製元と駅弁の開発も行う。旅行ジャーナリスト、フードアナリスト。駅弁がつなぐ地域の絆人が集まれば「醤油めし」松山の郷土のめしが駅弁に

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