porta 2023 #045
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「ぶれまい」では、さまざまなパン作りを学ぶ本レッスンが月に8回、季節や特別テーマに沿ったスペシャルレッスンやプロのシェフを招いたレッスンも。取材日は、生産量が少なく、稀少な北海道産小麦粉「キタノカオリ」を使った山型食パン作り。まずは柴田さんが前日から仕込んで一晩じっくり発酵させていた生地を生徒と一緒に成形し、型に詰める。 「生地を4つに分けたら、ひとつずつ真ん中から上へ、真ん中から下へと延ばして気泡をつぶして」「四角に整えたら三つ折りにします」と声をかけながら作業を進めていく。2次発酵を待つ時間は、レクチャータイムだ。 「言われたままでは家でやっても教室通りにはできません。小麦や酵母の特徴、特質、レシピの成り立ちなどバックグラウンドの知識をつけることが大切」という柴田さん。研究や開発に携わった経験がレッスンにも活かされている。 「先生のレッスンは体育会系。でこの日の生徒さんはふたりとも通い始めて5年のベテランだ。も、はじめは石より硬いパンしか作れなかった私が、パン作りの原理を知って家でも美味しくできるようになりました」という内田さん。蔵本さんは「ここに来て、ほかで習ってきたことは何だったんだって思っちゃいました」と笑う。指導はロジカルに、でもレッスン中は笑い声が絶えない楽しい雰囲気も柴田さんの明るいキャラクターがあってこそだろう。大切な人のために本当に美味しいパンを「このパンの場合は加熱水蒸気200℃で25分間焼くのよ」と柴田さん「キタノカオリ」で焼くパンはモチモチで独特の食感。翌日食べても美味しい焼き上がりを待つ間におしゃべり。できたパンを柴田さんが用意するスープなどと一緒に食べるのも楽しみのひとつ柴田さんとともに生地を成形する内田さよ子さん(左)と蔵本一子さん(右)発酵に使う自家培養酵母の酒種やヨーグルト酵母、発酵中の生地と小麦これまでのレッスンで使用してきたレシピをすべてファイリングしている

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