常磐自動車道三郷ICから5分。松澤克郎さんの経営するファミリー農園は、日本最大級のショッピングセンター・越谷レイクタウンのすぐ近くにありながら、のどかな田園風景が広がる中川沿いにある。ファミリー農園の大きな特徴は、単に土地を貸すだけではなく、小型耕運機などの農機具を無料で貸し出し、肥料を用意し、プロの農業家・松澤さんから野菜作りの知識や技術を教えてもらえること。そのため農業未経験者でもスタートができ、手ぶらで出かけても野菜の植え付けから収穫までを体験することができるのだ。 「両親はネギやナスを栽培する農家。ずっとこの土地で育ってきて、海も山もないつまらないところだと思って都会に出たのですが、40歳を迎える頃、土が恋しくなってきたんです。やはり農家のDNAが受け継がれていたのですね」 実家で育てる新鮮な野菜を食べてきて、それが当たり前だとも思っていたという。「あるとき、居酒屋で食べた枝豆が美味しくない。試しに実家で育てた枝豆を同僚に食べてもらったら皆が『美味しい!』と。自分は恵まれた環境で育ったのだと思い知らされました」 家業を継ぐことを決意し、48歳で脱サラした松澤さんは、父に農業を教わりながら、都市型農業の一つとして、農業をレジャーのように楽しめる体験型市民農園をスタート。現在では、良好な環境が整備された市民農園として、農林水産省の市民農園整備促進法認定農園になっている。取材・文/中林貴美子撮影/筒井聖子農業の楽しさも厳しさも知ってほしい都心から車で約30分。中川沿いの緑豊かなエリアに広がるファミリー農園。「週1日来れば美味しい野菜ができる」をキーワードに、新しい農業のカタチを展開する松澤さんを訪ねました。土地を貸すだけではなく農業のノウハウを伝授 基本型ファミリー農園は1区画約20㎡で年間3万600円。1カ月から契約可能になっている「川沿いにありますが、ここは昔から水害が少なく、恵まれた土地なんです」と松澤さん「子どもの頃から農業を手伝ってきましたが、今も学びながらみなさんに指導しています」
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