「初めは貸し農園でやっていけるのか心配で、退職には反対でした」と話すのは奥様の明美さん。 「ホームページの反響はあるものの、最初は利用者が思うように増えなかった」という松澤さん。しかし、テレビの情報番組や新聞などで紹介されたことで2年目からは順調に利用者が増え、当初47区画だったのが今では220区画、180組の利用者に。奥様も安心しているようだ。 農園内には駐車場、トイレ、水場や農機具倉庫、給水、散水設備のほか、休憩所として使えるクラブハウスもあり、利用者同士の交流の場にもなっている。 松澤さんは、初めての利用者に農機具の使い方、土の耕し方、育てやすい野菜や病害虫の防ぎ方などを指導することはもちろん、毎日農園を巡って、利用者が困っていることなどもフォローする。 「例えば、ナス、トマトなどは連作障害といって、同じ場所に2年 「以前からさつまいものオー続けて栽培することはできない。そういった基礎的なことから、キャベツを育てるなら、間にレタスを植えると虫がつきにくいなど、コンパニオンプランツという組み合わせのいい野菜などもアドバイスします」と話す。しかしそんな松澤さんの丁寧な指導でも、病害虫の発生、続々とはびこる雑草など、農業には苦労が絶えない。だからこそ収穫の喜びは大きく、自分で育てた野菜の美味しさは格別なのだろう。ナー制度がありましたが、昨年からシャインマスカット、今年からパパイヤのオーナー制度も始めました」シャインマスカットやパパイヤのオーナー制もクラブハウス前には、キウイの棚が日よけになっているベンチスペースも利用者の憩いの場の クラブハウスでは、種や苗、ドリンクの販売も農園内には井戸から給水される水場が点在。水やりや手洗いなどに便利クラブハウスの手作り看板。中で松澤さんがひと休みしていることも耕運機やシャベルなどが整然と並ぶ農機具倉庫。利用者は自由に使える
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