早朝から活気ある工場で駅弁を手にする工場長根室本線釧路駅は人口約15万人の釧路市の中心駅で、道東の要衝。駅前には昭和29(1954)年に開業した和商市場が賑わいを見せ、「海鮮の街釧路」の名をほしいままにする。そんな釧路の名物駅弁が「蟹・かに・CRAB」。市場にもズラリと並ぶカニをふんだんに味わえるカニづくしの駅弁だ。ポイントは一つの駅弁で本ズワイガニのいろいろな部位を楽しめること。4分割された容器には、本ズワイガニの脚の棒肉、肩肉、酢締めしたカニフレーク、炒りカニフレークが彩りよく盛られ、こんもりとカニ味噌まで添えられている。友人たちと車内でカニ弁ランチ。ふたを開けると全員そろって「うわぁ!」「おいしそう!」と感嘆の声。カニ酢のフレークはさっぱりと、炒いったカニフレークは香ばしく歯ごたえもよい。カニ寿司とカニめしの両方を同時に食べられる駅弁を、私はほかに知らない。さて、日本酒やビールを用意したなら、カニ味噌をおつまみに。そのまま口にしても、棒肉に味噌をまぶして贅沢に味わってもオーケー。酒がすすむこと間違いなしだ。本ズワイガニのうまさを引き出した釧路を代表する駅弁をぜひ。価 格 :1490円販 売 :釧路駅(株式会社釧祥館)問合せ: 0120-323-017 (釧祥館のフリーダイヤルで、旭川事務所が対応します)釧路市北海道釧路市text by駅弁女王Shinobu Kobayashi日々の旅のなかで、今まで5000食以上の駅弁を食破。雑誌等での駅弁の連載、著書も多数。駅弁の開発も行う旅行ジャーナリスト、フードアナリスト。棒肉、肩肉、フレークなどカニの部位によって味付けも変えている販売店舗「ばんばん」駅弁がつなぐ地域の絆水揚げ量北海道1位の釧路の人気駅弁本ズワイガニがてんこ盛り 「蟹・かに・CRAB かにみそ入り」
元のページ ../index.html#15