国際線CAとして世界138都市を巡り、退職後に日本一周した経験を活かし、バイクツーリング会社を設立した松林由紀子さんにお話をうかがいました。「自由さ」に憧れて大型二輪免許を取得取材・文/中林貴美子撮影/筒井聖子 「バイクなら車では行けないところに行けたり、空気や風を感じたりできるのがいいんです」 「CAになろうと思ったのは、子どもの頃に見ていた旅番組『兼高かおる世界の旅』がキッカケ」という松林さん。兼高かおるさんが未開の地へも飛び込んでいく姿に憧れ、日本航空に国際線CAとして就職。早期退職する57歳までの37年間に世界138都市を訪れたという。 「2人の子どもの子育ても一段落し、退職を前にこれからどう生きようかと考えた時、ふと目についたのがバイク。『自由そうでいいな』と思ったんです」それまで原付バイクすら運転したことがなかったという松林さんだが、教習所に通い、大型二輪免許を取得した。 「妹には『バイクの免許なんて取ってどうするの』とあきれられましたが、バイクに乗るようになって確実に世界が広がりました。退職後はバイクで北海道から九州まで、約3年かけてゆっくりと巡り、日本を一周。日本には日本ならではの美しさ、素晴らしさがあると再発見できたんです」自分のための旅を終え60歳になった時、やはり社会に関わり続けたいと思い、考えついたのが、外国人観光客向けにバイクで日本 「訪日観光客は年々増加している 「ツアーはすべてオーダーメイを巡るガイドをすることだった。のに、当時はバイクツーリング専門の旅行会社がなかったんです。そこでまずは旅行業務取扱管理者の資格を取得し、友人の協力でホームページを開設しました」はじめの1年は問い合わせがあるだけだったが、2年目で初めてドイツのご夫妻からの申し込みがあり、以来、コロナ禍を除き年間6〜7組の依頼があるという。ド。お客様の行きたい場所、やりたいことに合わせて、レンタルバイクの手配、宿泊の手配をしています。コースを決めるのに、10回以上メールなどでやりとりするんですよ」免許取得以来、ずっとハーレーに乗り続けていますバイクにはスマホをセット。透明ポケットでメモが見られるタンクバッグもガイドの味方自身のバイクツーリングの詳細をメモした手帳。これが今のガイドにも役立っている2週間程度の着替えが詰め込めるというバッグがツーリングの必需品だ「FUN RIDE JAPAN」のホームページはすべて英語で、ツアーの詳細を丁寧に解説56歳でバイク免許を取得。語学力と
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