アマチュア無線は、自宅にいながら日本はもとより、世界中の人とつながることができる便利なツールとして根強い人気がある。携帯電話やインターネットの普及により、年々愛好家の減少と高齢化が進んでいるものの、災害時に回線がパンクしがちな電話と違い、緊急時の連絡手段に強いという特性があり、近年では趣味の域にとどまらず、災害ボランティアなど社会貢献への期待が高まってきた。 「生駒市アマチュア無線非常通信協力会(以下IAE)」は、60年以上の歴史を持つ「生駒アマチュア無線クラブ」を母体に、生駒市の防災ネットワークの一助を担うために発足。現在、市内愛好家が会員となり、災害時に備えた活動や非常用電源の準備などをしている。 大震災の時、被災地の情報伝達や通信手段の確保にアマチュア無線家が重要な役割を果たしたことを会長の杉江久男さんは「東日本聞き『私たちも地元でもし大災害が発生したとき、アマチュア無線の電波を役立てたい』と思ったんです」という。2020年12月には、生駒市と災害時における情報の収集・達を迅速かつ的確に行うための連携訓練を実施。その有効性が認められ、2021年には生駒市と協定を締結。災害時には生駒市災害対策本部内に機材を持ち込み、アマチュア無線局を臨時開設することが決定したほか、年1回、共同訓練を実施することとなった。 「はじめは懐疑的だった市も、連携訓練をしたことで、無線局が生駒市内の広範囲に存在し、面として有効な情報収集が可能と理解してもらうことができました」(杉江さん)IAEの活動は、年1回、12月に市との共同訓練で活動の改善・習熟を図っているほか、毎週木曜もに通信状況をチェック、さらにはイベントへの出展などでのアマチュア無線愛好家の拡大・育成など多岐にわたっている。こうした取り組みは、内閣府が地域で社会参加活動を積極的に行う高齢者のグループを表彰する「社会参加活動事例」の令和6年度社会参加章受章としても実を結んでいる。 趣味のアマチュア無線で自宅にいながら社会貢献大阪・関西万博の情報を発信するアマチュア無線特別記念局を、この日は生駒山麓公園に移動局として開設していた当日はメンバーで機材を持ち寄り、体験運用も実施したメンバーを増やすことが私の役割なんです「もっとアマチュア無線の魅力を広めたい。だからイベントや講習会も開いています」と会長の杉江久男さん(71歳)20時の定期交信で近況報告とと45名(無線局)のアマチュア無線
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