5月のある日、きらめく新緑の生駒山麓公園に、IAEのメンバーが集結した。この日開催された、日本アマチュア無線連盟(JARL)奈良支部による「大阪・関西万博特別記念局公開運用」とアマチュア無線免許がない人が交信できる「体験運用」にIAEが協力したためだ。アンテナや無線機材を設置し、通信状況のチェック・調整、初心者への指導など、それぞれが慌ただしく活躍していた。 「体験運用は、アマチュア無線を知らない人に魅力をアピールする絶好の機会なんです」と杉江さん。この日はアマチュア無線の電波を使った方向探査競技「ARDF練習会」も同時開催していたため、競技に参加した高校生も多く体験に訪れていた。 「昨年体験運用を経験した高校生のうち2人が、アマチュア無線の免許を取ってくれたそうです。免許は国家資格なのでハードルが高そうに思われますが、興味を持てば大丈夫。若い人に愛好家が増えるのはうれしいですね」と杉江さん。機材の設置、全国から交信の ある大阪・関西万博特別記念局移動局としての交信証明「QSLカード(交信証)」発行手続きなど、それぞれが自分の得意分野を生かし、年齢を感じさせない躍動ぶりだ。 「私は世界中の人と交信するために、今さらながら英語を勉強してますよ」と笑う杉江さんのイキイキした笑顔が印象に残った。万博記念局の公開運用や体験運用で活動をPRマンツーマンで交信方法を指導し「体験運用」でアマチュア無線を体験してもらう無線機のほか、交信証や終了証の印刷のためにパソコン操作も欠かせない大阪・関西万博無線特別記念局の移動局として世界の人と交信するため電波状況をチェックする杉江さん※) Amateur Radio Direction Findingの略上/競技用に園内に設置していた電波発信装置 左/JARL奈良支部の中田雅之さん(左)と菊一好史さん交信に必要な用語をわかりやすくマニュアルにしている「体験運用」の参加者には、終了証をプレゼントする受信機を持って発信装置を探しますARDF※は全国大会もありますよ
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