介護支援専門員基本テキスト
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とケアプラン修正の実施は不可欠です。このように支援が始まった後は、モニタリングを起点としてケアマネジメントプロセスを意識的にまわしていくことで、利用者のその時々の状況に応じて、必要な支援を、必要なときに、必要なだけ届けることができるのです。2.受付・初期面接相談(インテーク)ケアマネジメントの理論的なプロセスの最初の局面は、入口(ケース発見、スクリーニング、インテーク)です。何らかの社会生活上の困難を抱えた人を発見し、その人がケアマネジメントを必要とする人であるか否か、すなわち複数のニーズを抱え、それを自力で充たすことができない人か否かを峻別し、ケアマネジメントという援助関係に利用者を引き入れていきます。そして、これにアセスメントが続きます。しかし、現実の支援のなかでは居宅介護支援事業所の介護支援専門員が、この入口段階の機能をすべて果たすことは稀まれでしょう。市町村の窓口に要介護認定の申請をしてきた、または要介護認定を経て、家族が居宅介護支援事業所に居宅介護支援の依頼をしてきた時点で、介護支援専門員によるインテークが行われます。インテーク面接(受付・初期面接相談)では、居宅介護支援の契約に関する説明と同意を得ること、そして利用者の全般的な状況把握をしていくことになります。現実にはこの状況把握においてアセスメントが行われていることになります。介護支援専門員はインテーク面接から、利用者の主訴にしっかりと耳を傾け、利用者との信頼関係を構築していきます。こうしたはたらきを、近年ではエンゲージメントと呼びます。介護支援専門員は利用者が主体となって自らの生活問題に対応していく歩みを支える協働関係をつくっていきます。それには、自己紹介と自身の役割、ケアマネジメントの利用によって、その後、利用者に提供される事柄、意見や苦情等に対する申し立ての手順等の説明をわかりやすく行うことが大切だとされています。特に介護支援専門員の役割については「ケアプランを立てます」ではなく、「○○さんがこれからどんな生活を送りたいか、そのためにどんなことをしていけばよいかを、一緒に考えさせていただきます」と問題解決のパートナーであることを理解してもらうように説明することが重要です。また、主訴に耳を傾けていくことは、利用者がそのとき困っていると感じている事柄についての情報収集となります。さらに、そうした困りごとがいつ頃から、どれくらいの頻度で起こり始めたのか、また身体面・精神心理面・社会環境面のどういった事柄が関連し合って生起しているのかについても話を聞くことができるでしょう。さらに、そうした事柄が利用者の生活にどういった影響を与えているのかについても聞267第6章居宅介護支援第2編第1章第2編第2章第2編第3章第2編第4章第2編第5章第2編第6章

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