介護支援専門員基本テキスト
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第節11リハビリテーションの基礎知識リハビリテーションの守備範囲は非常に広いものです。分類やアプローチ法、配慮を要するリスクなどについて学びましょう。1.リハビリテーションの考え方リハビリテーションという言葉は、「機能訓練」と同義と誤解されることもありますが、本来の意味は、再び(re)、能力をもたせる(habilitate)ということにあり、猿人が初めて手を使い、物を作る段階に至ったヒトを意味するホモ・ハビリス(能力のある人)が語源とされています⚑)。代表的な定義を図表8-1に示しますが⚒)~⚔)、ここでは「障害をもった人々が、地域においてもてる能力を最大限に発揮し、人権が尊重され、生き甲斐をもった生活を送れるように、障害者やその家族を中心に共通の目標に向かってチームで援助する活動」ととらえて解説します。■図表8-1リハビリテーションの定義出典年定義世界保健機関(WHO)1981リハビリテーションは、能力低下やその状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段を含んでいる。さらにリハビリテーションは障害者が環境に適応するための訓練を行うばかりでなく、障害者の社会的統合を促すために、全体としての環境や社会に手を加えることも目的とする。厚生白書1981リハビリテーションとは、障害者が一人の人間として、その障害にもかかわらず人間らしく生きることができるようにするための技術および社会、政策的対応の総合的体系であり、単に運動障害の機能回復訓練の分野だけをいうのではない。日本リハビリテーション病院・施設協会1990地域リハビリテーションとは、障害のある人々や高齢者およびその家族が住み慣れたところで、そこに住む人々とともに、一生安全に、いきいきとした生活が送れるよう、医療や保健、福祉および生活にかかわるあらゆる人々や機関・組織がリハビリテーションの立場から協力し合って行う活動のすべてをいう。2.リハビリテーションの流れリハビリテーションは、①障害を予防し、要介護状態となることを防ぐ、②障害が280

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